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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
「お兄ちゃんは本当にずるいよ。私なんてお兄ちゃんのせいで、未だに処女なのにさ」
「!」
唐突な告白を受け、思わず目を見張った。瑞月に経験がないことについては、なんとなく先ほどの話から予想ができたはず。否、それよりも前に、髪を染め上げ派手目なメークで彩った姿を前にした時も、些か背伸びしたような印象は拭えなかった。
だから驚いたのは、瑞月の口にした「処女」という単語そのものだろう。それが妙なリアルさを、俺の眼前に示していた。
瑞月は話を続ける。
「あの後――特に高校生になってからは、恋愛のチャンスは沢山あったと思う。でも一度だって、あれ以上の想いは訪れなかった。私の中のお兄ちゃんの色を、誰も塗り替えてくれなかったから……」
「……」
お兄ちゃんのせいだから――と、そう言った瑞月の気持ちを、理解するに至る。しかし、だからといって、どうにかできることが俺にあるのか――?
瑞月は妹。その想いは揺るがない。否、既に揺らぎはじめているからこそ、そこから目を逸らそうとしているだけなのか。
ならば、俺は――。
「難しい顔してないで、なにか言ってよ。こっちだって、気まずくなるじゃんか」
瑞月はややおどけたように言うと、手を伸ばし俺の胸元を指先でつついてくる。
「さ、触るなって」
「なによぉ。自分はあんなに触ったくせに」
「洗っただけだろ……」
「少しくらい、いいじゃん。触らしてくれたって」
瑞月はすねたように言い、更に掌で俺の胸の辺りを弄ってくる。
「だから、なんでだよ?」
「私だって、年頃なの。男の人の身体に、興味くらいは……さ」