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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
そこまで気持ちを整理した上で、熱にのぼせて「いいよ」なんてのたまう妹を、果たしてどう窘めてやるべきかと声をかけてみるも、やはりそんな俺は間抜け野郎だったようだ。
くぅ……。
人に寄りかかったまま、小さな寝息を吐いている、とても気ままな生き物。その姿を目の当たりにすると思わず破顔して、こちらは些か大げさにため息を吐くのである。
「どうすんだよ、まったく」
この状況から布団に寝かせるまでの行程を頭で整理しながら、少し途方に暮れた。
入浴中にすっかり夢の中の住人と化してしまった瑞月は、それから五分後、和室に戻ると布団の中で無事に眠り続けている。その安らかな顔を見る限りでは、熱で倒れたり完全にのぼせたり、といった心配はどうやら無用のようだ。俺は、ふっと息をつく。
とはいえ、自分でここまで戻ってくれたわけではないので、こちらとしては大変な労力を消費している。濡れた身体をバスタオルで拭い、脱衣場に用意されていた衣服を着させ、抱きかかえて部屋まで運んで来ていたのだ。
結局は全裸をじっくりと眺めた上で、身体のいろいろなパーツにも触れたのか、と思われるかもしれないが、そういった観点では入浴時とは状況が大きく異なっている。
なによりも、せっかく温めた身体を冷やすわけにはいかなかった。俺は一切を単なる作業と割り切り、速やかに一連の行程を完遂していたのだった。
もちろん今更、格好がつくとも思っていない。風呂場では不覚にも、瑞月の裸体に反応してしまっている。おぼつかない手つきで男の猛りを弄られた、あの後。瑞月が寝てしまわなかったらと考えると、自分でも恐ろしかった。
やはり抵抗がある。当たり前だ。仮にも幼い時分までは、血の繋がった普通の兄妹と疑わずに共に育ってきている。ある種の〝壁〟は、その時までに築かれていたはずだ。
しかし同時に、瑞月の中にも築かれていたであろう〝壁〟を、破ってしまったのは俺自身だった。今日いろいろと話を聞き、はじめて瑞月の気持ちの一端を理解することになった。