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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
思いの外、ゆっくりと眠った。小鳥のさえずりで目覚めた時、隣を見ると瑞月は既に布団から上半身を起こしていた。
そして、俺をまじまじと見つめる。
「……体調は、どうだ?」
「だ、大丈夫……けど、それより」
「ん?」
まだ眠い目を擦りながら聞くと、瑞月は更に訝し気に目を凝らした。
「なんで、いるの?」
「だって、お前が――」
その後の言葉を待たなかった。
「――!?」
瑞月はなにかに気づいたように、両手で頭を抱えた。
おそらく、その脳裏には、風呂場でのことを中心に、様々な場面(シーン)とその時の会話(セリフ)が、順不同に思い浮かべられていたに違いない。
熱で浮かされて、ある種の箍(たが)が外れていたとはいえ、もちろん記憶がなくなるはずもないのだ。
瑞月はすべて思い返し、そして恥辱を噛み殺すように声を上げた。
「うわ……うわっ……うわあぁぁ!」
絶望したように歪めながらも、それでいてその顔は熱が出ていた時よりも一番、真っ赤だった。