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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
とりあえず瑞月の熱は下がっていた。すぐに全快とはいかないにしても、今日一日安静にしていれば、すっかり元気を取り戻すのではないか。
もっとも瑞月の場合、熱があった時が随分と素直だった分、少し惜しい気もする。なにせ俺に対する態度のギャップは、あまりに顕著だった。
「もう、勝手に入って来ないでよ! バカ涼一!」
お兄ちゃんではなく名前で言い放つと、あれ以降は部屋の中に入れてくれもしない。まだ身体は怠いはずだから、純粋に身の回りの世話を焼こうと思っただけなのだが。まあ、それも元気の証拠か……。
高坂文水と松川土埜と夏輝木葉(この並び順に一切の意味はない)の三人が別荘に戻ったのは、意外と早くまだ午前中の内だった。もうじき駅に着くと事前に連絡があり、俺が迎えに行ったのだ。
車の中で三人は割と和やかな雰囲気であり、三人とも最初に瑞月のことを気にかけてくれた。熱が下がったことを伝えると、よかったね、と嬉しそうに顔を見合わせていた。その様子に、特に温度差のようなものは感じていない。