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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
俺はその姿を前にして、困惑を隠さなかった。
「ま、松川さん……困るよ」
彼女をラブホテルで抱いたのは、まだ二日前のことだ。それで数日は安眠できると、そう告げたのは彼女自身のはず。
確かに俺は、彼女の〝悪夢〟を振り払うため、協力することを約束している。否、明確に約束したわけではないが、一度は彼女を抱いてしまった以上、無下には扱えないといったのが正直なところだった。
彼女は誰かに抱かれていなければ、安息を得ることができない身体だという。俺である必要はないが、だからといってほっておくわけにもいかない。
そうなるに至る事情を聞いた上で、俺は彼女を抱いてしまったのだ。冷たくするには、ある種の後ろめたさが募る。だからといって、決して同情だけではないのが悩ましい。彼女が放つ危うい魅力には、実に抗い難いものがあった。
俺は彼女のフェロモンに、既に侵されはじめているのか?
「ごめんなさい。どうしても、少しだけ」
「少しだけ?」
「ええ……」
聞き返すと、松川さんは顔を横に向け、恥ずかしそうに身体をよじった。
「だけど、ここでは……みんなに、気づかれるよ」
「わかっています。でも、不安なんです。お兄さん、次はいつ――抱いてくださいますか?」
顔を横に向けたまま、視線だけをこちらに。期待と不安に彩られた瞳の色に、俺は思わず喉を鳴らした。
「じゃ……じゃあ、三日後に」
「三日……後?」
「あ、ああ……なんとか理由を作って、二人が出られるようにしないと。みんなに怪しまれないように……だから、それまで待って」