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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
しどろもどろに言った言葉には、我ながらなんら具体性はなかった。
松川さんは少し思慮した後で、それでも頷いてくれている。
「わかりました。では三日後に、必ず」
「……うん」
と、返事を返すも、頭の中はどんよりと曇っていた。
三日後。再び安いラブホテルの一室で、松川土埜と交わり尽くす光景を想像すれば、やはり只事ではない興奮が沸き上がってくる。そして同時にそんな自分を、激しく卑下していた。
「でっ、ですが――」
「松川さん?」
約束を取りつけながらも、彼女は立ち去ろうとしない。そもそも約束だけなら、メッセージで事足りたのではないか。そう思いながら見つめる先で、彼女はもじもじと身体を小さく揺らした。
「私にとって、今からの三日は少しだけ長いのです。ですから、ほんの少しだけ……お兄さんの体温を、分けてはいただけませんか?」
「体温?」
なにを言われたのかわからずに、そう見つめ返した時のこと。
――コン、コン。
ドアを叩く小さな音色は、この夜の二人目の訪問者によるものだった。