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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
「まっ……」
――つかわさん。その声をなんとか押し殺すも、俺は仰天している。なぜなら松川さんが身を隠した場所が、デスクの下だったからだ。俺の右太ももの辺りにしがみつくようにして、彼女は狭い空間に必死に身を縮めている。
しかしそれは、大人が身を隠すにしては、あまりにも脆弱な組み立て式の簡易デスクである。大きさはそれなりだけど、基本は天板に脚が四本生えただけの簡単な造りだった。
コン、コン。再びノックの音。
「ねえ、寝ちゃったの?」
「……瑞月か。どうしたんだ、こんな時間に?」
「うん、ちょっとね。入ってもいい?」
すぐには断る理由を思いつけなかった。とりあえず、ベッドの上の毛布を引き寄せる。それでなんとか松川さんの身体を覆った。
「ねえ、入るよ」
俺の返事を待たずに、瑞月はドアを開けた。暗い部屋の中に入ってくると、ベッドに腰掛けて作業をしている俺のことを、訝し気に見つめてくる。
「なにそれ? 軽く引くんだけど」
瑞月の視点では、ベッドの脇で局所的な光に照らされる俺は、ぽっかりと浮かんで珍妙に思えたのかもしれない。
「だろうな……寝ようとしたらアイディアが浮かんで、咄嗟に書き留めていたんだけども」
「それにしたって――ほら、毛布が床についちゃってるし」
「いっ、いいんだよ。なりふりかまって、いられねーから」