この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
思わず全身を震わせ、顔を上げた時だった。
「――!?」
すぐ近くに瑞月の顔を認め、俺は驚愕する。
「み、ずき……?」
「なによ。そんなに驚いちゃって」
「だ、だけど――」
――くっ!
必死に声を押し殺す。すっぽりと、含まれてしまった。
「看病してくれたから、一応はお礼、しておこうかなって」
「お礼?」
また目を合わせられずに、唇を見つめていた。すると――
「そう、単なるお礼――」
その唇が、俺の方に近づいてくる。
――うっ!
瑞月の唇が、俺の唇を塞いだ。
――ビクン!
それと同時に、俺は高鳴りを弾けさせた。いろんな感情(もの)が混ぜながら、激しく爆ぜたのだ。
「…………」
男の絶頂(ピーク)。およそ七秒という時間に合わせたように、瑞月は唇を離し目を開けると、俺の顔を見つめた。
「なぁに、たかがキスくらいで」
「……え?」
「ぶるぶるって、震えてたよ。涼一の唇」
「だって……驚いたから」
それは嘘ではない。嘘ではないが、大きく裏切っている。
俺の身体が、瑞月の気持ちを――。
「勘違いしないでよね。言ったでしょう」
瑞月は照れくさそうに言いながら、ドアのところまで歩き。
「単なるお礼。たかがキス。それ以上の意味はないよ。どうせ、二度目なんだし」
こちらを見ずにそう告げると、部屋を出て行った。