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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?


 思わず全身を震わせ、顔を上げた時だった。

「――!?」

 すぐ近くに瑞月の顔を認め、俺は驚愕する。

「み、ずき……?」

「なによ。そんなに驚いちゃって」

「だ、だけど――」

 ――くっ!

 必死に声を押し殺す。すっぽりと、含まれてしまった。

「看病してくれたから、一応はお礼、しておこうかなって」

「お礼?」

 また目を合わせられずに、唇を見つめていた。すると――

「そう、単なるお礼――」

 その唇が、俺の方に近づいてくる。

 ――うっ!

 瑞月の唇が、俺の唇を塞いだ。

 ――ビクン!

 それと同時に、俺は高鳴りを弾けさせた。いろんな感情(もの)が混ぜながら、激しく爆ぜたのだ。

「…………」

 男の絶頂(ピーク)。およそ七秒という時間に合わせたように、瑞月は唇を離し目を開けると、俺の顔を見つめた。

「なぁに、たかがキスくらいで」

「……え?」

「ぶるぶるって、震えてたよ。涼一の唇」

「だって……驚いたから」

 それは嘘ではない。嘘ではないが、大きく裏切っている。

 俺の身体が、瑞月の気持ちを――。

「勘違いしないでよね。言ったでしょう」

 瑞月は照れくさそうに言いながら、ドアのところまで歩き。

「単なるお礼。たかがキス。それ以上の意味はないよ。どうせ、二度目なんだし」

 こちらを見ずにそう告げると、部屋を出て行った。

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