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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
それまで随所にギスギスとした関係性を匂わせていた四人も、不思議とこの日に限っては妙に一致団結しているように思えた。キャッキャッと楽し気なジャンケンの掛け声ひとつにも、そんな雰囲気が表れている。
瑞月の様子がそれまでと変わったから? やはり一番の要因は、そこだろうと思う。俺はふと深夜の瑞月とのキスの場面と、その流れで松川さんとのことも思いかけ、すぐに頭を振ると想像をかき消した。
当方の脳内は、もう滅茶苦茶だ。それは自覚している。整理が必要だ。しかし今は考えたくない。どうやらジャンケンは終わったようだ。
「じゃあ、買い出しに行くのは誰?」
聞くと「ハーイ!」という声と共に、二つの手が挙がる。
買い出しに向かう車中。そこに乗る一人はもちろん、さきほど元気な発声をした夏輝木葉であり、もう一人は松川土埜だった。その二人を後部座席に乗せ、俺はなんとも微妙な気分だ。
しかし結局、どの二人組になったところで、それはたぶん似たようなものなのだろう。そんな風に考えると、また猛烈に内省したい気分になるので、今は控えよう。