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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
続いて割って入った高坂さんは、エスコートするような手つきで背中を押すと、コンロの前に華火を誘って行く。
「お腹空いてる?」
「え、ええ」
「私は高坂文水ね。一杯あるから、たくさん食べてって頂戴」
「あ、ありがとうございます」
思わぬ歓迎ぶりに恐縮しきりだった華火は、頃合いを見計らったように俺の元に逃げてくる。
「涼一さん、一体なんなんすか。この楽園は?」
「楽園?」
「全員、飛び切りの美女ばかり。しかも、タイプは色とりどりとかぁ。どんだけハーレムかって話ですよ」
「そ、そうか?」
「そうかって! 涼一さん、まさか既に何人かと――」
「バカ! くだらないこと言ってんなよ」
虚勢を張って必死にかわすものの、その内心はビクビクである。ほとんど図星だ。
華火はしばらく怪しげな顔をしていたが、ふとなにかを思い出したように周囲をキョロキョロと見まわした。
「それで、あの……涼一さんの妹さん、というのは?」
「ああ――オーイ、瑞月」
声をかけると、一番離れたところにいた瑞月が、面倒そうにこちらを向く。
「なに?」
「あ、いや……この子、華火っていって一緒にバイトしてるんだが」
「さっき、聞いてたから」
瑞月は不愛想に言うと、プイっと顔を背けてしまった。
あれ? またなんか、機嫌が悪いような……。
一抹の不安を覚えながらも、浦辺華火を含めた五人の彼女たちとの楽しい(?)バーベキューの夜がはじまろうとしていた。