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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で


 近づき、なんとなく並びかける。夕暮れに浮かび上がるコンロの炭火の焔とその周囲を照らすランタン、そして楽しそうに話す他の四人の姿を眺めながら、瑞月に声をかけた。

「今度は、なんだよ?」

「今度は?」

「ここへ来た時と同じで、機嫌が悪くなってないか? ――と、思ったもんで」

「別に、同じじゃないし。そもそも、最初のは」

「最初のは?」

「いい。それは今更だから」

 俺は少し躊躇った後で、聞く。

「高坂さんと、喧嘩でもしたのか?」

「なんで? 向こうが、なにか言ったの」

「そうじゃねーけど。ただ、二人が――なんつーか、友達っぽくないのは、傍目からでもわかるよ」

「まあね」

「認めるのかよ?」

「涼一には関係ないでしょ。それとも、あの人のこと――なんか、気になるわけでも?」

「別に、そうじゃねーけど……」

 咄嗟に否定するも、心の中にはモヤモヤが募る。

「じゃあ、いいじゃん。あの人、たぶん――明日か明後日には、東京に帰るんじゃない?」

「帰る? どうして」

「さあ、わかんないけど。それも自由だってこと。理由もなく、二週間もいる必要はないから」

「理由……?」

 やはり、瑞月と高坂さんの間には、なにか――たとえば|取り決め《けいやく》のようなもの――があったのだろうか。そして、それが瑞月により破棄されたとしたら、二人の言ってることに――高坂さんの「梯子を外された」という部分にも――辻褄が合うような気がする。

 だが瑞月は、それ以上の追及をかわすように、話題を変えた。

「それよりも――」

「ん?」

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