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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
高坂さんがまたコンロの方に行くと、残された俺は彼女たちの様子を眺めながら、落ち着いて考えを巡らせていた。まず現状を整理してみよう。
今の俺にとって一番の懸念は、やはり松川土埜についてだ。彼女とだらだら肉体関係を続けることが、いい方向に物事を運ぶはずがない。彼女とのセックスが魅力的なことを十分に承知するだけに、それに溺れてしまうわけにはいかなかった。
もちろん、肉欲だけではない。俺の中に、彼女をほっておけないという気持ちが生じているのは確かなこと。だけど、それがどんな気持ちかという以前に、彼女の場合、むしろ彼女の方がその点で完全に割り切っているのである。
少なくとも彼女は、俺に対して恋愛感情を抱いてないだろう。彼女が求めるのは、肉欲の高鳴りがもたらす束の間の平安だ。
なんとか、もっと別な手段で彼女が立ち直れる、そんな妙案はないものだろうか。否、そこまでではなくとも、たとえ些細でも、なにかきっかけぐらいは……。
そんな風に考えていた俺は、隣に彼女がいたことに気がつけずにいた。
「ウフフ。さっきから、つっちーばかり見てますねー」