この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
返事はないが、泣き声は治まっている。それを肯定と捉え、俺はその場を離れようとしたが。
「じゃあ、ちょっと待――!?」
シャツの裾を後ろから引かれて足を止めた俺に、彼女は涙ながらに言った。
「お、お兄さーん……ううっ……わ、私、おしっこ漏らしちゃったよぉ」
「あ、うん……そ、そうみたいだね。だ、だから松川さんに」
更に、ぐいっと強く引かれ。
「いやっ、このままにしないで」
「だ、だけども」
「うわあぁん……せっかくこの二年くらいは、漏らしたことなかったのにぃ」
イヤイヤ、ソレなんの情報!? つーか、二年前にも漏らしてるのかよ! 〝せっかく〟の使い方ぁ! いい加減凝りて、我慢するのやめなさいって! 今度こそ、絶対に!
「……」
頭の中を駆け巡る、いくつのもツッコみワードをとりあえず、グッと呑み込む。今、言ってもどうにもならないし、彼女もふざけてるわけじゃない(たぶん?)ので流石にかわいそうだ。
とはいえ、どうしたものか……。
「松川さんでも、ダメ?」
「うん……やっぱ、はずいし」
まあ、それはそうだろうけども……。