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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
別荘の玄関で松川さんをやり過ごすと、中に入りとりあえず二階へ。廊下の突き当りの右にある脱衣場に入った。
とにかく、夏輝さんにシャワーを浴びさせてあげるのが先決だと考え、その際、一階の大きな風呂よりもこちらのバスルームの方が手軽だという判断だった。脱衣場にある大小のタオルを何枚か手にして下に戻ろうとしたが、思い留まって浴室に入ると給湯器のボタンを押す。
夏とはいえ、この辺りの夜はやはり涼しいのだ。下半身を濡らしてしまった彼女にしてみれば、湯船で温まりたいと感じるかもしれない。念のためお湯を張っておいて、必要がないのであれば、シャワーに切り替えてもらえばいいと考えた。
一階に下りてキッチンの照明を灯すと、傍らにある勝手口の前に立った。すりガラス越しに夏輝さんの上半身が蠢く様子がわかる。ゆっくりとした動作で濡れた下着やソックスを脱いでいるようだった。
灯りを灯したことで俺が来たことには気づいてるはずだが、一応はアルミ製の戸口をノックするようにして、遠慮がちに呼びかけてみる。
「な、夏輝さん――拭くもの、持ってきたから」
勝手口は外開きなので、ポーチのところからどいてもらわないとドアを開くことができなかった。もう一度、玄関から回り込むとなれば、松川さんには妙だと思われてしまうだろう。
どうしようかと思慮していると、暫くしてガチャと音を立てドアが細く開いた。
「パ、パンツとか……濡れたもの全部、捨てちゃいたいですが……」