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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
音は脱衣場から聴こえた。なにかを床に落としたのか、あるいは本人が倒れたのか。そんな想像を掻き立てられた以上、ほっておくわけにもいかない。
「夏輝さん?」
再度ノックをしながら声をかけるが中からの返事はなく、シャワーの音も止んでいるようだった。
「ねえ、大丈夫なの?」
さっきよりも声を張って呼びかけるが、やはり明確な応答はなかった。だが、ドアに耳を当ててみると、微かにうめき声のようなものが聴こえた気がした。
他の誰かならもっと慎重になる場面だろうけど、彼女に対しては下方面の世話をした直後ということもあり、些か遠慮が薄れていたのかもしれない。
「入るからね」
俺はそう声をかけるや否や、躊躇することなくドアを開き脱衣場の中に入っていった。
「……ん?」
だけど、中には夏輝さんの姿がない。なんだ、どうやらまだ湯船にでも浸かってるらしい。さっきの音の出どころは気になるが、それもきっと大事ではないのだろう。
俺は少し安堵して、それでも一応はバスルームに向かって、もう一度声をかけようとする。しかしそこで、バスルーム内の電気が消されていることに気づき、少し変だと感じた。
「バッグを持ってきた――」
バタン! 突如、背後でドアが閉ざされていた。
「――なっ!?」
次いで、脱衣場の電気も消されて、目の前は真っ暗になる。