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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
息を呑むように沈黙した後、彼女は彼女らしからぬ小声でこんな風に答えた。
「……だ、大丈夫では、ありません。や、やっぱり私……」
「な、夏輝さん?」
「く暗闇は、こ怖くて……だだから、ももっと強く、だ抱いていて、ほしいんです……おお兄さんに……」
唇が絶え間なく震えている。普段の明るさの欠片もない、感情のない話し方だった。異様な様子を目の当たりにして、これが単なる悪ふざけではないと感じる。
この反応をみるに、彼女が暗闇を苦手としているのは嘘ではなさそうだ。だけど、それならどうして自ら、この状況を作り出しているのか。
「とにかく、電気を――」
「だめっ!」
彼女は両手でぶら下がるようにして、強く俺の首を引きつけた。それにより前のめりに体制を崩すと、彼女の背中をドンと、ドアに押しつけた格好となる。そして――
「――!?」
更に彼女に引き寄せられると、強引に唇を奪われてしまった。
「なっ……夏輝さん?」
「お願いです。もっと――」
更に強烈なキスを受け、右手を胸元に誘われた。小振りながら張りのある確かなふくらみでは、乳首がくっきりと存在を露わとしていた。
夏輝さんはキスを繰り返しながら、次第に呼気を荒げていく。
「こ怖いんです」
くちゅ――。
「こっ、怖い――?」
「んっ! だから、ふっ――ま守って、ください」
ちゅ、ちゅっ――。
「まっ――守るって、俺がっ?」
「そう、ですっ!」
離れても吸いつき何度も唇を合わせながら、彼女は途切れ途切れに話す。
そして貪るようなキスを終えると、夏輝さんは言ったのだ。
「――今度は、ちゃんと」
今度は……?
彼女がなにを伝えようとしているのか、その意図はわからない。
だが彼女の言葉からは、只ならぬ因縁を感じはじめていた。