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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
「お……お兄さん?」
「う、うん」
「瑞月の、お兄さん?」
「え? まあ、そうだけど」
「私の、お兄ちゃん?」
「いや……それは違うよね」
そんな馬鹿みたいなやり取りの後で、彼女は笑った。
「あはは、お兄さんだぁ」
さっきまでと違い、無邪気に抱きつかれ頬を寄せられる。
錯乱状態から、元の彼女に戻ったのか。否、わからない。そもそも、さっきまでの状態がどういうものかさえ、定かではないのだ。
「な、夏輝さん。とにかく、電気をつけようか」
「え? なんでですかぁ?」
「だって、暗いところ苦手だよね?」
「うふふ、今は大丈夫でーす。なぜなら、大好きなお兄さんと、こんなにくっついていられるんだもん」
「夏輝さん……からかってるでしょ」
「ああ、ひどーい! 今、さりげなく告白したんですけどぉ」
「いや、全然さりげなくないから。むしろ、どさくさ紛れというか……」
「あははは! 確かに、そうかも。でもね、お兄さん」
「なに?」
「割と本心ですよ」
夏輝さんは言って、ちゅっ、と可愛らしく頬にキスをする。