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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で


「……」

 さっきまで散々キスを繰り返したのに、ある意味で今のが一番効果的だ。もしかすると俺は、彼女に蠱惑されようとしているのか……。

 まるで彼女の調子が掴めない。単に酒に酔っているようでもあり、小悪魔的な本性を露わにしているようでもある。

 明らかに制御が利かないさっきの状況よりはましだが、これはこれで扱いが難しいような気がした。

 とりあえず少し身体を離す。目が慣れたためだろう。暗闇の中で視線を合わせ、少しだけドキリとした。

「な、夏輝さん。そろそろ戻らないと、皆に変だと思われてしまうから……」

 夏輝さんの瞳が僅かな光を集め、ゆるゆると揺れる。

「そう、ですよね」

「早く、服を着なくちゃ」

「はい」

 その返事を聞いて、俺は心底安堵する。

「じゃあ、俺は先に戻――」

 立とうとしたところを、きゅうう、と。再び強く抱きしめられた。

「お兄さん――」

「な、なに?」

「もう少しだけ、お兄さんに触れていてほしいんです」

「どうして?」

「そうでないと、私――発情してしまったんです」

 俺は思わず息を呑んだ。

「だ、だけど……」

「お願いです。きっと、時間はかかりません」

「……?」

 尚も彼女は、耳元でこんな風に囁きかけてきた。

「だって私……さっき、お兄さんの前で、おしっこを漏らした時……もう、感じてしまっていて……」

「は?」

「えへへ。私って、変態なのかも。でも、仕方ないんです。お兄さんの前で、そんな姿を見られたくないから、必死に我慢するけど、とうとう我慢ができなくって――」

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