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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
バーベキューを離脱してから、どれくらい過ぎただろう。夏輝さんの荷物を持ちに行った時点で二十分は経過していたから、そろそろ三十分近くにはなるはず。
「夏輝さん。やっぱり俺、そろそろ皆のところに戻るよ」
「えーっ! イヤだ!」
「イヤ、とか言われても……。いい加減、一人でも戻らないと怪しまれるだろ」
「まだダメなの!」
夏輝さんはそう言うと、両腕で顔を抱き寄せ、両太ももでは更に強く俺の右手を挟みつけた。
「な、夏輝さん……」
動けずに困っていると、また耳元で囁きかけられた。
「ねえ、お兄さん?」
「な、なに?」
「ほら……木葉がまだエッチなの、わかる?」
「う、うん……」
動きを封じられた右手の、その指先が触れた先では高い熱量を感じた。
「こんなにエッチなのって、やっぱり、お兄さんのせいなの。嘘じゃないよ。だって、やっと会えたんだもん」
やっと、会えた?
「だから、お願い。この高鳴りは、お兄さんに鎮めてほしい」
「……」
初日の夜のことに留まらず、どうやら夏輝木葉には他にも聞くべきことがあるようだ。だが、それは今ではない。とにかく今は、早くこの状況を脱しなければ……。
「わかった。でも、夏輝さん」
「なんでしょう?」
「その代わり、後でちゃんと話してもらうからね。いろいろと」
「ええ、了解です」
と、一応話はついたものの。