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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で


 松川土埜とは、また二日後に約束がある。松川さんが俺に求めるのは、単なる肉欲。すなわち約束とは取りも直さず、セックスの相手を努めること。現在のところ、俺にとって一番の火種だ。

 彼女の乱れた時の姿を実感しているだけに、言い聞かせてどうにかなるとは思えない。とはいえ、このまま流され数日おきに彼女と情交を繰り返すのは、できれば避けたい。否、絶対に避けるべきだ。

 なんとか明日にでも、妙案を絞り出さねばならない。あ、でも、明日は華火と映画に行く約束があったな。

 そう思った時に、コンロの周囲に華火の姿がないことに気づいた。

「あれ? 華火は、もう帰ったのか?」

 そう聞くと、さっきまで俺に文句を言っていた瑞月が一転、急に言葉を詰まらせた。

「ああ……えっと。今、ちょっと、あっちで休んでるとゆーか……」

「休んでる?」

 瑞月の指さした先には、木陰のアウトドアチェアでぐったりとしている華火の姿があった。傍らでは高坂文水が、その様子を見守っている。

「一体、どうしたんだよ?」

「りょ、涼一が戻らないから……だって、あの子とは初対面だし、これでも私なりに気を遣って……そしたらさ」

「そしたら?」

「ノンアルコールと間違えて……お酒、飲ませちゃった」

「はぁ?」

「ご、ごめん……」

 珍しく申し訳なさそうにする瑞月。

 事情をしった俺は、とりあえず華火の元へ。

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