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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第5章 楽しい一夜の裏側で
「華火、大丈夫か?」
「うーん……」
真っ赤な顔で辛うじて声には反応したが、目は閉じたままだ。
「管理人さん、ごめーん。ちゃんと、気にしとくべきだった」
高坂さんは団扇で華火を仰ぎながら、そんな風に言う。
「あ、いや……俺こそ、任せきりにしちゃって。それより、どう?」
「たぶん、心配ないよ。飲んだ量はコップ一杯程度だし、その後で水も飲ませたから。呼吸も落ち着いてるし、もう少し休めば起きると思う」
「そっか……」
話を聞き大事に至らなかったことに、まずはホッと胸を撫で下ろした。華火はまだ高校生。真面目な性格なので、飲酒なんて当然はじめてのはず。
瑞月も加わり三人で暫く様子を見ていると、ほどなくして華火が目を覚ました。
「……涼一さん?」
「おお、気分はどうだ?」
「平気っすけど……なんか変だな?」
「変?」
華火は何事もなかったように、すくっと立ち上がる。そして、俺のすぐ前に立ち顔を仰いだ。
「ど、どうした?」
「いえ、なんか夢みてるみたい。涼一さんが、いつもよりカッコよく見えます」
華火の目はどこか、とろんとしている。まだアルコールが回っているのだろう。
「じゃあ、もう少し夢の続きをみてろ」
そう言って肩に手をかけ、アウトドアチェアに座らせようとした時だ。
「そっか、やっぱり夢かぁ。じゃあ、こんなのもアリっすよねー」
ぼんやりとした笑みを浮かべたかと思えば、華火はいきなり俺に抱きついていた。