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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
とりあえず、キッチン周りの後片づけは高坂さんと松川さんがやってくれているし、外の片づけは瑞月と夏輝さんがなんとなく担当している。
そんな中でちょっとすれ違う度に、なにかを言いたそうにする彼女たち。だが、少なくとも今夜は、もう誰とも絡むつもりはなかった。正直、今夜は(これ以上)絡みたくない。
だが、そこでハタと思い出したのは、この後、俺が果たすべき責任について。そんな風に表せば些か大げさなかもしれないが、決して有耶無耶にはできない案件が残されている。それは、俺のバイト仲間(一応、俺からみて先輩)の浦辺華火のこと。高校生の彼女に飲酒をさせてしまった一件だ。
華火にアルコールを飲ませたのは、瑞月だということらしい。もちろん故意というわけではなくて、どうやらノンアルコールだと勘違いして勧めてしまったようだ。しかしながら今夜、華火を誘ったのは俺なので、当然ながら責任の所在も当方以外にはあり得ない。
なりより、その時の自分の行動を顧みれば、思わず頭を抱えたくなる。見ず知らずのメンバーの中に華火を招いておきながら、俺は夏輝木葉とあんなことを……。一部、やむを得ない事情(?)も、あるにはあったが、それにしても。
彼女の行為や言動についても、また改めて問い質さなければならないだろう。今はあえて考えないようにしているが、夏輝木葉の件は、どうも一筋縄ではいかない予感があった。