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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
俺からの申し出に、それぞれの反応をみせる彼女たちであるが。
夏輝さんと松川さんの部屋はベッドが二台据え置かれているので、布団を敷くスペースは手狭だ。一方で瑞月の和室なら確かに最適だが、瑞月自身があまり社交的な性格でないため、きっと華火の方が気を遣うことになりそう。
そんな俺の思惑を、まるで見透かしたように。
「私の部屋においでよ」
「あ、はい。それでは、お願いします」
自然と華火の宿泊先は、高坂文水の部屋に決定。バーベキューの時からなにかと世話を焼いていたこともあり、華火としても一番気兼ねのない相手だったようだ。
ともかくそうして当別荘は、女五人プラス管理人(俺)という、非常に女子率が高い空間と化した。もちろん一夜だけのことであるし、今夜はもう寝るだけのはずなので何事があるわけでもなかろうが、これまでを鑑みればつい身構えたくもなってしまう。
「じゃあ、みんなでお風呂に入りましょー! ねっ、華火ちゃんも一緒に」
「わっ、私はいいっす!」
「いいじゃん、入ろ。身体、洗ってあげるー」
「駄目っす、そんなっ……自分、お見せできるような身体してないっすから」
「平気だよ。私だって胸ちっちゃいし、瑞月もまあ普通だし。つっちーが少し異常なだけでぇ」
「こ、木葉ちゃん。人の胸を異常って、それはあんまりだよ」
「普通ってゆーのも、なんかさぁ……」
「アハハ、ごめんごめん」
「いえ、別に胸の話はしてなくて、ですね」
「ほら、華火ちゃんが困ってるじゃない。大体、どうしてみんなでお風呂に入りたがるわけ?」
「スキンシップですよぉ、文水さん。女同士で、キャピキャピしましょーよ」
と、そんな花柄の会話の応酬を。
「……」
傍らで俺は所在なく唖然と見守る。実際、一人増えただけなのに、なんともいえない華やかな雰囲気は一気に倍増したかのようだ。