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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
もちろん、日ごろから足として用いている華火だって平気には違いない。だが、やはり今朝だけは責任をもって自宅まで送り届けたいと思った。
別に俺自身、昨夜の飲酒の影響が残っていると考えているわけでもないのに、そんなところが「子供扱い」だと、華火に感じさせてしまうのだろうか。だけど、実際まだ高校生なのだから、それも仕方のないことだ。
「……」
華火は黙って、窓から外の景色を眺めていた。
華火の家に着くと、玄関先で出迎えた両親に改めて今回の件を謝罪する。流石に緊張したが、幸い事情はわかってもらえたらしく、厳しく責められるようなことにはならなかった。
去り際には和やかに談笑したりして、優しそうで感じのいいご両親だという印象を受ける。それに対し傍で華火だけが、所在なさそうに佇んでいた。
別荘に帰る車中で。
「ありがとう。助かったよ」
華火に代わり助手席に座る高坂さんに、そう声をかけた。
原付を乗っていってくれたばかりか、華火の両親の前では俺と一緒になって頭を下げてくれた。
「気にしないで。好きでやったことだから。割と、ね」
「好きで?」
「うん。好きなんだ、あーゆー子」
「えっ?」
ややギョッとして、隣を見ると。
「ウフフ。そーゆー意味じゃないよ」
高坂さんは笑って、俺の肩を軽く叩いた。
「ほら、真面目で可愛いじゃん。見るからに裏表がなくてさ。少なくとも今回同行してる他の三人とは違って、なんだか一緒にいても清々しいっていうのかな」
「まあ、そっか」
「ああ、ごめんね。別に妹さんたちのこと、悪く言ったつもりはないよ。大体、その意味で一番擦れてるのは私だって、ちゃんと自覚してるし」
「別に、そんな風に思ってないよ」
「ホント?」
「ホント! 大体、高坂さんは自分のことを卑下しすぎ。いくら、その……」
思わず口ごもると、冗談めかして高坂さんが続ける。
「元風俗嬢だからって?」