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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
別荘に戻った時、リビングには起き出してきた女子三人がソファーの辺りで気怠そうにたむろしていた。瑞月も夏輝さんも松川さんも、なにをするでもなく、なんとなくスマホやテレビを眺めていた。
同じメンバーでの生活も、そろそろ一週間になろうとしている。流石にある種の倦怠感を漂わせはじめたのかと思い、ややピリピリとした雰囲気に少なからず緊張を覚えた。
だが、その一因が、俺と高坂さんが揃って出かけていたことへの疑念だと察すると、華火を家に送って行った経緯を正しく話して聞かせることに。そうして一応は、一定の平穏が取り戻されたようだった。
しかしながら、やはり火種は随所に散りばめられている。否、散りばめたのは俺自身か? そりゃあ、俺のせいも少なからずあるだろう。
できれば今日は、彼女たちには日中に買い物などに出かけてもらい、久しぶりに書斎に籠り小説に打ち込みたい気分だった。夜は華火との約束で出かけるので、是非そうしたいというのが俺の切なる望みなのだ。
でも、現在の雰囲気だとそれも難しいのかもしれない。責任の一端が俺にある以上、あまり素知らぬ顔もできないが、果たして。