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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
そんな俺の内心を見透かしたかのようだった。
「ねえ、今日は買い物行かない? 駅傍のアウトレット。私、この前は行ってないし」
そう提案した高坂さんに対して、不満そうに反論したのは瑞月だ。
「この前は、自分で勝手に残ったんでしょう」
それは二日目のこと。瑞月たち三人がショッピングモールに行った時、事実一人で別荘に残ったのは高坂さんだった。
「あの時は気乗りしなかったけど、今日は行きたいの。悪い?」
「別に……勝手にすれば」
「うん。じゃあ、勝手にするね」
「……」
ソファーに座ったまま、瑞月が面白くなさそうに高坂さんを睨みつけた。
やはり、この二人は馬が合わないのか。それまでも薄々感じてはいたけど、少なくとも俺の前で対立するようなことはなかったはず。高坂さんが瑞月の意に反して、別荘に残ることを決めたのが、わだかまりになっているようだ。
こんな感じで残り一週間余りを過ごされても困るので、とりあえず仲裁に入ることにする。