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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
「あのさ、瑞月」
「なによ?」
「もう一度くらい買い物行きたいって、言ってなかったっけ?」
「言ってないけど」
瑞月から冷めた目を向けられたタイミングで、夏輝さんからフォローが入った。
「あ、それ言ったの私でーす。だって一度じゃあ、お店回り切れなかったもん」
駅前のショッピングモールの敷地は、実際かなり広大だった。
「ね? つっちー」
「私はどちらかと言うと、買い物よりも食べ損ねたクレープとかソフトクリームの方が心残りかな。この前は、混んでいて買えなかったから」
「そーして、摂取した脂肪分を、またこのお胸に蓄えるつもり?」
「もう! 気軽に揉まないで!」
「アハハ! ごめーん」
松川さんとじゃれ合いながらも、夏輝さんは瑞月に言う。
「ねえ瑞月、いいじゃん。今日は買い物行こうよ」
「私はいい。行きたいなら、三人でどうぞ」
「そう言わないでさぁ。実は私、どうしても買い物に行きたい理由があるの……」
「理由って、なによ?」
瑞月に聞かれ、夏輝さんは今にも泣きだしそうに、こう話した。
「昨夜、お気に入りのサンダルとニーソとミニとパンツ一枚を、一度に台無しにしてしまったの。なぜかと言うと、私……大学生にもなって、おしっこを漏――」
「もう、言わなくていい! つき合ってあげるから!」