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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
この夏、俺の元にやって来た四人の彼女たちを、つい邪魔者のように感じてしまうことも多々ある。でも、彼女たちから受けた刺激が、もしかしたら創作活動にいい影響をもたらしているのではないか。ふと、そんな風に感じた。
たとえそうだとしても、これ以上の刺激は遠慮させてもらいたいというのが本音だけど。まあ、そうもいかないだろう。
「さて、そろそろ出かけるか」
スマホで時刻を確認すると、そう呟いて席を立った。
五時すぎに車で別荘を出発すると、バイト先の喫茶店へ向かう。華火は六時までバイトということなので、それまでコーヒーと軽食でも口にしながら待つつもりでいた。
「いらっしゃい――まっ、せっ!?」
店に入ると、テーブルを拭いていた華火が、振り向きざまにぎこちない挨拶を口にする。
「ん? なんだよ、その反応は」
「いえっ……はっ、早かったから」
「ああ、時間までコーヒーでも飲ませてもらおうと思ってさ。あとサンドイッチとか、残ってないか?」
「あります……。では、すぐに」
華火はそう言うと、俺と顔を合わせずに、そそくさとカウンターの中へ。そうして、ブレンドと軽食の用意をはじめた。
店内には主張しすぎない程度の音量で有線放送が流れ、他に客の姿はなかった。すると、カウンターの奥のドアが開き、口髭と顎髭が見事に繋がった大柄の中年男が顔を出した。
「なんだ、お前か」
雰囲気だけは一流の当店のマスターは、カウンターに俺の姿を認めると露骨に気の抜けたような顔をする。
「どーも」