この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
同時にその身体から、一気に力が抜け落ちていった。
「華火!」
俺は咄嗟に、崩れ落ちる身体を抱き止めた。そして、すぐ近くのベンチに華火を座らせると、寄り添うように隣に腰を下ろす。
「ご、ごめんなさい」
「どうして、謝るんだ」
聞くと、華火は顔を俯かせる。
「だって……どうせ、結果なんてわかってるのに」
華火は言いながら、肩に置いていた俺の手を握った。
「でも、どんなにへこむことになっても、この告白だけは全力でって、そう決めてたから」
気の許せるバイト仲間。真面目で一生懸命で、素朴で可愛い田舎の女子高生。
確かに、彼女の全力は伝わっていた。
「……」
小刻みに震わせる手と、揺れる眼差しを前にする。
果たして俺は、なにをどう答えればいいのだろう。