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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき
俺は小さくため息をついた後で、言い聞かせるように話す。
「あのな……バイト先では先輩だけど、俺から見たら華火は真面目で純粋な良い子なんだ。子供扱いというわけじゃないけど、実際まだ高校生なわけで」
話の最中で華火にキッと睨みつけられ、俺は思わず怯んだ。
「それが障害になるなら、そんなものいらない。不真面目でも、不純でもかまわないっす。それに、私だってホントは……」
「華火?」
今度は華火の方が俺から顔を背け、顔を上気させながら、とても恥ずかしそうに話した。
「この前、お借りした本。ああいうの、純文学というのですか?」
「あ、ああ」
「あの中の一冊に、なんというか、かなりエッチなシーンが描写されているものがあって……私、それが涼一さんから借りた本だと意識して、きっと……それで、なんだかモヤモヤして……その夜、はじめて……じ、自分で」
「自分で?」
真っ赤な顔を向けて、華火は言った。
「りょっ、涼一さんこと想いながら、オ、オ……オナニー、しちゃったんです!」
「は……?」
予期せぬ話を打ち明けられた瞬間、俺の頭の中は真っ白になっていた。