この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第6章 いじらしい悪あがき


「華火!」

 店の敷地に停車するや否や、華火は車から降りて逃げるように駆け出した。すぐに追いかけようと、続いて車を降りた時である。

「よう、帰ったのか」

 店のドアが開き、顔を出したのはマスターだった。

 時刻は既に夜の十時近く。普段ならとっくに閉まっている時間にもかかわらず、店の中からは灯りが漏れ出している。だけど、客がいる様子はなかった。

 マスターは華火に手招きをしながら、言った。

「華火、ちょっと寄ってけ。帰る前に、コーヒーでも飲んでいくといいぞ」

「……」

 華火は無言のまま、柔らかな灯りに誘われるように店の中に入っていく。

 そして、マスターは即座にドアを閉めようとした。

「ま、待ってください!」

 慌ててドアノブを掴むと、マスターは通せんぼするように俺の前に立ちはだかる。そして、冷めた目を向けた。

「涼一、お前は帰れ」

「え?」

「当たり前だ、コノヤロー。案の定、泣かせてきやがって」

 そうして再度、マスターは容赦なくドアを閉ざそうとする。

 俺は食らいつくようにして、どうしても気になったことを訊ねた。

「な……なんで、わかったんですか?」

「ん?」

「だって今、案の定って……それと行く前にも、よく考えろみたいなことを」

 マスターは俺をじろりと睨みつけた後で、大きなため息を吐いた。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ