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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
「フーン」
「な、なに?」
「後輩って、女の子でしょう?」
「……ッ!」
ここで顔色を変えてしまった時点で、もう誤魔化そうとすることに意味はない。俺はため息をつくと、開き直って答えた。
「そうだけど、なにか?」
「その子、涼一さんの彼女?」
「違うよ。だから後輩だって、言ってるじゃん」
言いながら、胸の奥がチクリと痛んだ。華火とのことを思い出して、どっと疲れを感じる。俺は力なくソファーに腰を下ろした。
五月女さんと話していると、高校時代に逆戻りしたような感覚に陥る。それが照れくさいようでもあり懐かしいようでもあり、なにより腹立たしかった。
「まあ、誰と出かけていたかについては、それほど興味もないし、どうでもいいのだけど」
だったら聞かないでくれ。話の途中で、思わず苦笑を零す。
「でも、瑞月ちゃんたちをほったらかしにしていた件については、やっぱり感心しないわね。涼一さんはこの別荘のホストなのだから、お客をきちんともてなす義務があるのよ」
「そんなっ、客って言っても」
「身内だからというつもりなら、理由にならないわね。むしろ、お友達ともども最大限お迎えすべきお客様という位置づけになるの。そうすべき理由は、もう話さなくてもわかるでしょう?」