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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
自分で考えろというのがヒント? 相変わらず、この人と話してると、子供扱いされた気分になる。
まあ、いい。瑞月のことはともかく、俺は真っ先に聞くべきことを、ようやくこのタイミングで口にした。
「それで――五月女さんは、なにをしにここへ?」
すると、五月女さんは頬にかかった艶やかな髪をしなやかな指先で耳の後ろに流し、潤んだ瞳で俺を見つめた。
「涼一さんに会うために」
瞬間、早まった鼓動。それに抗い、俺は怒った顔を向ける。
「いいから、そういうの」
クスっと微笑を零す。ほんの一瞬で纏った色香を消し去ると、同じ唇で五月女さんは言う。
「そんなの決まってるじゃない。お父様の言いつけよ」
「親父の? わざわざ様子を見て来いって?」
「ええ、その通り」
「瑞月だって、もう大学生だぞ」
「だからこそ、なんでしょう? お父様にしてみたら、一緒に来てるお友達が本当に全員女の子なのか、と。そんなところから、心配が尽きないようよ」
「バカらしい!」
俺は吐き捨てるように言った。