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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
それは流石に俺のせいというよりも、それ以前からあった彼女たちの間の火種が問題だろう。否、今となっては俺のせいで火種があちこちで誘爆していたとしても、不思議ではないわけだけど……。
これ以上、話しているとボロがでそうなので、さっさとこの場を離れることにしよう。そうして俺の足が向いたのは、リビング脇にある階段。この時点で、瑞月は後回しになったわけだけど、もちろん意味なんてない。
まあ、改めて話す時に話しにくいと感じたのは、そうなのだろう。どういう理由なのかわからないけど、五月女さんの登場を受け機嫌が少し傾いているようだし……。
そうして二階に行き、最初のドアをノックしようとした時だった。背中越しに気配を感じて、俺は蓮向かいのドアの方に視線を向ける。
「?」
「ど、どうも」
少し開いたドアの隙間から、遠慮がちに顔を覗かせていたのは松川さんだった。
「どうかした?」
「いえ、下で話し声が聞こえたので、お兄さんが帰って来たのではないかと」
「そっか」
「あっ……別に聞き耳を立てていたとか、そういうことはありませんから」
「うん、わかってるけど」
「……」
松川さんが黙ってしまったので、こちらとしても少し気まずい気分になる。そんな気持ちを紛らわすように、気軽な雰囲気で聞いた。
「あのさ。今、少し話できないかな」
「えっ?」