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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い


「あれ、管理人さん?」

「あ!」

 思わず声を上げたのは、そこに立っていたのが高坂さんだったから。てっきり夏輝さんが、トイレから戻って来たのだと思っていた。

「なにしてたの?」

「いや……高坂さんは、なんで?」

「なんとなく、管理人さんの声が聴こえた気がしたから、なにかなって」

「ああ、それが――」

 この場合、誤魔化そうとすると逆に怪しまれるだろう。俺は率直に、部屋を訪ねた理由を話した。

「――というわけでさ。今後の予定を立てるために、みんなの希望を聞いて回っているんだけど」

「ふーん」と、高坂さんは話を聞くと、「で、彼女はどうしたいって?」

「えっと……」

 当然ながら、質問に対し正直に答えるわけにはいかない。どう話そうかと困っていると、意外にも背後の松川さんが言った。

「わ、私なら――明日」

「明日?」

「お……お兄さんと二人で出かけたいと、そうお願いしたところです」

「!」

 ギョッとして振り向き、松川さんをまじまじと見つめた。

「あはは、意外だね。そうだとしても、もっと、こっそりするのかと思った」

 高坂さんの言った通りだ。「三日後」のことは、二人で秘密裏に交わした約束のはず。それを大人しい性格の彼女が、自らこうしてひけらかすなんて想定外だった。

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