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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
夏輝さんが戻りそうもなかったので、一旦松川さんの部屋を後にする。と、そのまま手を掴まれ、今度は蓮向かいの部屋に引き込まれた。
高坂さんはドアを閉めると、すぐにこう訊ねてくる。
「ねえ。華火ちゃんと、どうだったの?」
胸の奥の方が、チクリと痛んだ。思わず頭を抱え、嘆き声を上げる。
「あぁ……」
「なぁに?」
「いや……俺ってホントに中途半端というか。とにかく駄目すぎ。最低……最悪……」
俺がわかりやすく落ち込んでいると、高坂さんのため息が聴こえた。
「反省は一人の時に、好きなだけすればいいけど。で、どういうこと? わかるように話して」
「そ、それがさ――」
俺は映画観賞後の公園でのあらましを(華火の〝悪あがき〟については適度にぼかしながらではあるけど)、高坂さんに話して聞かせる。
スラリとした生脚を組み、高坂さんはベッドに腰掛けて話を聞いていた。すると徐々にその眼差しが、冷ややかなものに変わっていく。聞き終えると、頬杖をついたまま宙を見上げてポツリと言った。
「あーあ、華火ちゃん、かわいそう……」
その一言でまた的確に、俺の胸を抉ってくる。更に、高坂さんの説教にも似たダメ出しが続く。