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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
「つき合えもしないくせに、華火ちゃんには心変わりしてほしくなかったって、どれだけ自分勝手なのよ」
「はい……面目ありません」
「大体、人の気持ちに鈍感すぎ! はじめて会った私ですら、昨日の様子を見てピンときたのにさぁ」
「そ、それは……俺なんかのこと好きなわけないって……心のどこかで、そう思っていたから」
「うわっ、出た出た! 普段は謙虚そうな男に限って、無自覚に人を傷つける典型的な例。いくら反省したって、そこのところがわかってないと意味がないからね。本当に自分が悪かったって、心からそう思ってる?」
「はい……」
その後も徹底的にボロクソに言われたわけだけど、不思議と気持ちの方は随分とスッキリしていることに気づく。そもそも華火とのことを素直に話して聞かせたのも、自分としては意外なことだった。
別荘に来た四人の中で唯一、俺より年上ということもあるのだろうか。高坂文水に対しては、自分の弱い部分を見せることに、あまり抵抗を感じない。否、それは一つばかりの歳の差がどうこうという、その程度の理由ではないはず。
それも彼女の魅力なのだ。そして、そんな彼女だからこそ、俺の方も心を開くことに躊躇しない。
「とにかく、華火ちゃんとはもう一度話すこと。今度は自分の想いに整理つけてから、ちゃんと誤魔化さずにね。いい?」
「うん、わかった。あの……高坂さん」
「な、なによ?」
思わず彼女のことを、じっと見つめていた。
「話を聞いてくれて、ありがとうね」
「は? 別に……」