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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
照れくさそうに視線を逸らした高坂さんに、今度はこちらから訊ねた。
「それでさ……さっきのアレは、どういうこと?」
「さっきの?」
「松川さんと話した時に、俺とデートがどうのって」
「ああ」
高坂さんは一呼吸置いた後で、それまでの〝説教モード〟を改めると、彼女らしい微笑を浮かべる。
「明後日、管理人さんとデートしたい。そのままの意味だよ」
ニッと零した笑みを眩しく感じる一方で、彼女の真意がわからずに俺は困惑した。
「俺が聞いたのは、別にデートがどうこうじゃなくて。ここにいる間、どこに行きたいとか、なにをしたいとか、そういう話なんだけど」
「うーん、そうだなぁ」
高坂さんは天井を見上げ、少し考える素振りをした後でこう答えた。
「じゃあ、美術館で」
「美術館?」
「そ。駅からこの別荘に来る途中で、確か見かけた気がするよ」
「ああ、確かにあるけど。そういうの興味あったの?」
「ううん、全然」
あっけらかんとそう言った彼女の顔を、俺は訝しく見つめた。
「あのさ、やっぱりからかってない?」
「そんなつもりはないけど。むしろ気を遣ってる方じゃない? そう言った方が、報告しやすいでしょう。下で待ってる二人に」