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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
ああっ、もう!
この状況で、彼女にどう言い聞かせるべきか。俺は結局、困惑しきりである。
真意のわからない高坂さんの方はともかく、それ以前からあった松川さんとの〝約束〟を反故にすることはできない。そんなことをすれば、彼女の内に抑え込まれた欲望が暴走しかねないからだ。
だからといって、三人とそれぞれデートの約束をしたなんて知れたら、今度は瑞月の機嫌がどうなってしまうものか、考えただけでも空恐ろしい。
「あっ、また……!」
「なっ、なに……?」
幾分、闇に慣れた視界の中。夏輝さんは下着を足元まで一気にずり下げると、矢も楯もたまらないといった雰囲気で、便座の上に腰を下ろした。
「はやっ、くぅ」
「あ、え? じゃあ――」
どうやら彼女は、我慢の限界のようだ。
早く出て行ってくれ。そう言われたと思い、慌てて個室を後にしようとする。だが、そんな俺の右手首を掴み、夏輝さんは艶めかしく息を荒げながら話した。
「おっ、お返事が、まだ……あっ! わ……私、とっ……デートを、するの、かぁ……ちゃん、とぉ……んっ!?」
「だ、だから……今は、そんな場合じゃないでしょうに」
彼女の華奢な手を、強引に振り払おうとするが。
「ああんっ、ダメェ! そんなに引っ張ったら、もう本当にでちゃうからぁ!」
「そんなこと言われたって……」
夏輝さんの場合、特に俺とのデートにこだわる理由があるようには思えない。否、現在も含め彼女の行為に対しては動機が不明なことばかりではあるから、それは今更なのか。
松川さんや高坂さんへの対抗心を装い、俺を困らせているのかと感じていたが、どうもそれだけではなさそうだ。