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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
急に話の向きを変えられて、努めて平静を装いながら、件の話を切り出した。瑞月にしてみれば、親父の息のかかった五月女さんが登場した時点で、それがストレスなはず。
その手先のようにスケジュール調整なんてしている俺のことが、気に喰わないのは当然だろう。一応、黙って一通りの話は聞いてくれたが、その顔は明らかに不機嫌なものに変わっていた。
「――で、他の三人はなんて?」
「あ、うん……美術館とか、他にもいろいろと。でも、あの通り感性がバラバラとゆーか……その、纏まらなくってさ」
「だから?」
「いっそ、別行動もアリかな……って」
こちらが探るように言ったのを受け、瑞月は腕組みをすると大きなため息を吐いた。
「それで、デートってわけ?」
「はあ?」
「デートなんでしょ!」
「なんで、それを……?」
「さっき木葉が部屋に来て、なんだか興奮気味にそんなことを話していったんだけど」
「夏輝さんが?」
そう言えば、さっき一階から上がって来たみたいだけど。よりによって瑞月に、そんな話をしていたとは……。
やはり夏輝木葉は、徹頭徹尾トラブルメーカーのようだ。