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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
疑問に思う俺を楽しむかのようだ。瑞月はにっと不敵に笑うと、今度は別の角度からこの胸の奥を抉ってくる。
「ねえ、今までに他の三人と、なにかあった?」
「な、なにか?」
「少しはあるよね。そうでなくちゃ、デートなんて話になるわけないし」
「うっ……!」
ギクリとして、額に冷や汗が伝う。そんな反応をしたことで、なにかあったことはバレバレだ。そして総合すると「少し」というレベルではない。
この時点で、瑞月に軽蔑されるのは必至。そう覚悟した俺に対し、またしても瑞月は予想外の対応を見せた。
「まあ、いいけどね。今までのことは、どうでも」
「は?」
「私さぁ……涼一はもっと、好き勝手やってるもんだと思ってたんだ。高校時代も、その後も、それこそ女の子なんて、とっかえひっかえみたいに」
「俺って、そんなイメージか?」
「ううん、昔は全然。でも、わかんないじゃん。家を出てってから、何度も会ってなかったもん」
「まあ……そうかもな」
「だから、その意味では安心したの。この別荘に来てから。ああ、相変わらずだなって、そう思えることの方が多かったから」
「瑞月」
「それに免じて、この一週間のことは聞かない。不問にする。でも、ここからは違うからね。もう、許してあげない」
「ここから?」
「私より先に、あの三人とデートするんだよね。それって、大丈夫なの?」
瑞月はそう言って、疑わしいとばかりに俺を見据えた。