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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い


「も、もちろん……なにも、特別なことは」

「ホント?」

 つまり、瑞月はこう言っている。もしデートで、三人の内の誰かに手を出した場合には、瑞月は俺を「許さない」と。そして、何事もなく「無事に」瑞月のデートに辿り着いた時には――?

 そんな疑問を浮かべた顔を向けると、瑞月は少しはにかむようにしてこう答えた。

「もし本当にそうなら……私とのデートの時、涼一にはご褒美をあげたいと思うの」

 ……ご褒美?

「もらってくれる?」

「え?」

「もらってくれるよね!」

 眉根を寄せ、念を押した瑞月に気圧された格好で。

「あ、ああ……」

 とりあえず、俺は頷いてしまう。

「じゃあ、これで話は終わり! さっさと、出てってよね!」

 照れ隠しなのか。急に態度を変えた瑞月に背中を押され、俺は廊下に追い出されてしまった。

「な、なんだったんだ……一体?」

 そのまま暫く、部屋の前で呆然と立ち尽くしていた。いろいろと思うところはあるはずなのに、すぐには頭を整理できそうもない。

 なんにしても、俺にとって大変なことになったのは事実だ。少なくとも明日からの四日は、小説に僅かな時間を割くことさえ難しくなるだろう。

 ここで対処を誤れば、いろんな意味で取り返しのつかない事態に陥りかねない。それは、もちろん俺自身の気持ちという意味でも……。

 この四連続デートの果てに、俺は彼女たちとどんな関係を築こうとするのだろう。すべては未だ、闇の中だ。

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