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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
俺は一体、なにをしているのか?
彼女たちの余暇のスケジュール調整なんて、はじめから真面に対応する案件ではない。余暇は所詮余暇である。彼女たちが好きに過ごせばいいのであり、俺が関与する話ではない。
それなのに、俺が四人それぞれとデート? それが女たちの望みなら、しかたねーなぁ、とヤケクソ気味にモテ男を気取ってやろうかとも思うが、それは自分の柄でもないし、そもそも彼女たちがデートを所望する理由は、そんなに単純なものではなさそうだ。
中でも明日の相手となる松川土埜は、最も対処が難解となる。彼女はストレートに、肉欲のみを欲していた。それが知れている時点で、瑞月の言う「ご褒美」をこの俺が受け取る未来はないはずだ。
なにしろ彼女との約束は、既に数日前には交わされている。それも「いつ、抱いてくれますか?」といった直球すぎる申し出に対して、苦しまぎれに「三日後」と答えていたのである。
約束は誠実に守るべきもの、とするのなら、俺は明日、松川土埜を抱かなければならない。それも彼女が心行くまで、何度でも。もちろん、そうなることは避けたいと、今でも思っているが……。
松川さんがセックスに依存するに至る、心の奥底に刻まれた傷を癒すのは並大抵のことではない。俺が聞いた幼い頃の壮絶なエピソードにしても、その一端にすぎないだろう。単に快楽に溺れたいのではない。彼女にとって快楽とは劇薬。
大きな傷の痛みを誤魔化すために、小さな傷を穿ち続けている。俺には、そうにしか思えなかった。