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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
「……ホントはさぁ」
「ん?」
「ちょっと、抜け駆けしようかと思ったんだ」
「抜け駆け?」
「だって、明日から四人連続のデート、でしょ?」
「そ、それはっ……」
「いいよ、焦んなくても。夏輝ちゃんが、わざわざ言いに来たんだ。デートが、私や松川さんだけではないってこと」
「夏輝さんが……マジか」
まったく、あの子はどういうつもりなのか。夏輝木葉だけは、とにかくすべての行動が謎。単に状況をかき乱して、それを楽しんでいるようにも思えてしまう。
どの道、四日連続なのは、その通りだから隠しても仕方ない。それでも、デートという言葉には抵抗を禁じ得なかったが、まあ、それも今さらだろう。
「そんなわけで、先にポイントを上げておこうと企んだわけ。そしたらさぁ……」
高坂さんはジトっとした目つきで、また顔を眺めてくる。
「だから、なに?」
「別に、いいんだけどぉ。四人の中だと、お姉さんキャラが私だけだったのに、あんな女《ひと》に登場されちゃうとねー」
「お姉さんキャラって……高坂さんとは、一つしか違わないし。五月女さんとは十近くも……つーか、これなんの話?」
「だから、いいの! さて、じゃあ私は二日目かぁ」
高坂さんはそう言いながら、ソファーから立ち上がる。そしてマグカップをキッチンに戻しながら、俺の方に言った。
「ついでに、夏輝ちゃんが言ってたよ。管理人さんと瑞月ちゃんには、血の繋がりがないってこと」
「は?」
「そうだろうとは、思ってたけどさ。とにかく、これでライバルは三人。いや、四人なのかな? じゃあ、そんなわけで」