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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
瑞月とのことは、こちらにも隠そうという意図はない。認識されたことを確認できただけ、すっきりする部分があるので、それはいいのだけど。
「ちょっと待って!」
「なぁに?」
「その……高坂さんは、どこまで本気なのかなって?」
高坂さんは階段を昇りかけて足を止め、肩越しに俺の方を見下ろす。
「結構、本気だよ。だから今は、割とマジでへこんでる。ま、抜け駆けしようとした罰かもね」
「……?」
この噛み合わない感じは、一体なんなのか。
「じゃあ、おやすみ」
「あ、うん……」
高坂さんとの話を終えると、俺は地下の書斎へと下った。そして、アレコレ考えるより先に面倒ごとを済ませようと、デスクに向かいパソコンを開く。
「ああ、くそ……テキトーでいいだろ」
貧乏ゆすりをしながら、俺がしている作業は、五月女さんに提出用のスケジュールの作成。当たり前だが、誰それとデートと記載するわけもなくて。
全部でっちあげるにしても、それはそれで煩雑である。一日の予定を一か所の観光で、それで終わりにもできないだろう。近場のレジャー施設や観光名所、更にはグルメマップなどに照らし合わせ、一週間の予定をなんとか埋め尽くした。