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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い
スマホには五月女さんから頻繁にメッセージが届いたが、俺は決まって【生きていますよ】とだけ返すようにしていた。食卓には、毎日違う料理が並ぶ。手をつけなくても、必ず。
他人からしたら、くだらない意地なのかもしれない。だけど、この頃の俺は五月女さんに反発することでしか、自分というものを表せずにいた。本当はわかっていた。見放されないことすら承知した上で、甘えていたのである。そんな自分の気持ちに気づきはじめた途端、あれだけ避けてきた五月女さんに会いたくて堪らなくなった。
数週が経ったある日。五月女さんの車が停まっていることを承知の上、日が明るい時間に家へ帰って行った。また食べもしない食事を用意しているであろう彼女に、無駄だからやめてくれと言うため――と、自分の心に言い訳をしながら。
だけど、ダイニングにもリビングにも彼女の姿がない。家中をウロウロした挙句、風呂の支度でもしているのかと、なんの気なしにバスルームに通じる扉を開けた時だった。
「あっ!」
思わず声を上げたのは、目の前の光景に驚いたからだ。目撃したのは入浴前の大人の女性。すなわち、全裸の五月女さんだ。
「も、申し訳ありません。まだ、帰る時間ではないと思い……このようなことろを」
俺に裸を見られながらも、彼女は謝っていた。そして、流石に慌ててもいた。素早くバスタオルを手にして、魅力的な大人の身体を俺の目から隠した。
そんな彼女を前にして。
「……!」
ドクン、ドクン――と、俺の心臓は激しく高鳴るのだ。