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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い


 後で思い返しても、ここからの自分の姿には恥しかない。

「でも……最初に、言ってましたよね?」

 未練がましく開いた隙間から、背を向けたまま聞いた。

「最初に、私が?」

「はい……なんでも、お世話する……とか」

 そこまで口にした瞬間、流石に愚かすぎる自分を嫌悪する。

「涼一さん?」

「いえ、なんでも」

「待って」

「――!?」

 五月女さんの言葉に、ドアを閉ざす寸前で、また動きを止めた。背後から五月女さんの裸足の足音が近づき、ドアノブを握った右手にそっと手が重ねられた。

 そして、彼女は言う。

「お背中を、流しますか?」

「あ……え……?」

 グズグズと立ち尽くしている俺を、手を引き脱衣場へと誘ったのは五月女さんの方。

「私も裸ですので、一緒に入ることにしますが、それでも?」

「!」

 言葉に驚いて向き直り、改めて顔を見た。さっき一瞬だけみせた微笑は、もうなく。いつものように淡々とした様子なのが、僅かに気になった。

 でも俺の大半の意識は、もう気持ちの部分にはなかった。

「……」

 無言のまま凝視したのは、片手で辛うじてタオルを押えた胸元。普段の理知的なスーツ姿から想像が結びつかないほど、たわわな膨らみが彼女の息づかいに、生々しく揺れた。

「……では、入りましょう」

「え、でも……」

「さあ、服を脱いでください。汗を流して、差し上げますから」

「……」

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