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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第7章 乱れる心、あの日の想い


 そして、五月女さんはこちらの限界を心得て、言う。

「わかりました。少しだけ、お待ちください」

 右手の動きを止めると、彼女は俺の前で身を屈めた。そして、男の猛りを目の前に見つめ、再びそれを扱き上げていく。

「な、なんで……それじゃあ」

 このまま飛び散れば、五月女さんを――夢精の時に、下着をどろりと濡らした、あの独特な匂いの液体で――汚して、しまう。

 それを、とても恐れるのに、彼女自身は、また無感情に言った。

「男の人は、精を弾けさせる時に、冷めるのだと聞きます」

「え……?」

 なにを言い出したのか、すぐには理解できない。五月女さんは緩やかに右手を動かし、自らの愛撫の様子を見つめながら、言葉を続けた。

「酷く落ちて虚しいのだと、そうも聞きます。私は女なので、その感覚はわかりません。ですが――涼一さんの高鳴りと虚しさは、せめて、私の身体で受け止めましょう」

 そんなこと、望まないのに!

 本当に、そう?

 その刹那、目で言葉が交わされたような気がした。

 汚してはいけない。溺れてはいけない。そう思い必死に堪えるほど、それを見越して五月女さんは右手の動きを加速した。

 見下ろす視界の中で、俺を仰ぐ五月女さんの、その乳房が魅惑的に揺れて。

 それに意識を奪われた、次の瞬間――。

「うわぁっ!」

 抑え込んむ意図の壁を、軽々と激しく突き破るように。

 ――ビュルッ!

 二週間分の青き欲望の雫が、猛烈な勢いで射出された。

「――!?」

 だけど、飛散した液体は五月女さんの頬を僅かに掠めただけ。その大部分は彼女の肩越しに、背後の床へと降り注いでいった。

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