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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち
「あはは、起きてるー」
「そう言ったろ、今」
不機嫌な顔で睨みつけると、夏輝さんお返しとばかり、べっと舌を出して言う。
「デートに寝坊しておいて、その態度はどうだろう?」
「寝坊って……今、何時?」
「もう、九時半過ぎてますけどぉ」
「え、そうなの」
思ったより寝過ごしてしまった感はあるけど、そもそも時間なんて定められてなかったはずだ。起こされてみたものの、果たしてどんな顔をしていいものやら。
「とにかく早くしてください。つっちーの方は、とっくに準備万端ですから」
そっか……今日は松川さんと。
改めてそんな約束を認識しつつ、俺はふと起こし現れた夏輝木葉の方を気にした。にこやかな顔を、まじまじと見やる。
「んん? なんですかぁ?」
「あの……夏輝さんってさ」
「はい?」
「いや……」
どう聞けばいいのか、流石に口ごもった。