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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に
別荘から出て辺りを見渡すが、人影はなかった。
「三人とも、どこへ行ったんだ?」
そう、独り言を呟いた時。
「あの――」
背後からの声に、驚かされた。
「わっ! ……ああ、なんだ」
振り返り、玄関の脇に松川土埜の姿を見つけると、俺はほっと息をついた。
「す、すみません。私、瑞月ちゃんたちが、どっちに行ったのか。わからなくなって……それで」
「ああ、いいさ。土地勘のない松川さんが迷ったりしたら、それこそ大変だ。二人は俺が探しに行くから、中で待っていてくれる」
「は、はい……」
その返事を聞いて、再び彼女に背を向けようとしたのだけど。
むぎゅ、予期せぬ感触を覚え、足を止める。
「あ、あの……松川さん?」
なんの前触れもなく、右腕にしがみついてきた松川さんの行為に、ぎょっとしていた。
「急に、肌寒く感じてしまって……夏なのに、ここは涼しすぎるくらいなんですね」
「ああ、そうだね。夜になると、一気に気温が下がるから……」
できる限り平然を装いながらも、心臓の方はバクバクだ。右肘の辺りが、柔らかな弾力に包まれている。